”世の中はすべて掛け算でできている”という話
教養って大事だなと思った話
女の子のスカウトについて
仕事柄、定期的に女の子のスカウト活動をする。ガールズバーでは女の子の人数がそのまま売上に直結するからスタッフの人数が少なくなってきたら他店の女の子に「うちの店で働かない?」とやるわけだが、僕はこれがまあ下手くそ。
半年前にやったときは経費を1000$近く使ってスタッフとして定着したのは1名(しかもぼくの実績ではない)。そのスカウトを最近また再開したのだが、僕の実力が前と変わってないことが社長にバレこう言われた「君は自分が相手に興味を持っている。ちがう。相手に自分のことを興味持たせるんだよ」。
以前、社長の商談に書記として同席させてもらったとき、その案件に自分が関わっていたので相手の方を質問攻めにしてしまったことがある(というか、僕はよくやる)。商談が終わった後「根掘り葉掘り聞くんじゃない」とたしなめられた。
そのときは"相手方のノウハウをタダで聞き出そうとするんじゃない"とか”何でも質問するのは相手方に失礼”といったビジネスマナー的な意味合いだけでとらえていたけれど、スカウトの話を聞いてからは「相手を質問攻めにする」のは交渉面でマイナスに働く、自分の評価を落とす行為ではないかと思うようになった。※プライベートの付き合いではいいことだと思う。あくまでも交渉に限った話。
社長は元々光通信の営業出身、あの会社のトップ営業マンは1月に何億円も売るそうだが、その営業手法は押しではなく「引き」。商品説明を自分からべらべら話すのではなく、相手から聞いてもらう(興味を持ってもらう)ことが大切なのがそうだ。実際のところ「押し」の営業でも売れることは売れるのだが、そういうやり方だと後からクレームが入ってキャンセルになりやすいとのこと。
女の子のスカウトも同じで、今の僕のやり方は、他店で可愛い女の子を見つけたときに(この時点で興味を持っている=負け)、いきなり仕事の話をしてしまっているが、本来は相手がぼくに興味を持ち、相手から質問をしてもらえる状況を作るのが理想。その状況を作るために「なにをすればいいか?」を考え行動するのが営業だという気がする。
今回は手法(方法)の話だけど、普段は経営者としてのマインドや哲学的な話を聞かせてもらうことが多く、具体的な手法のアドバイスを受けることは少ない。やり方をあまり教えてないのは自分で考える機会を奪わないためだと思う。
うちの社長に言わせれば、仕事に能力は関係ないらしい。仕事は”コツ”が大事だから、正しいアプローチをすれば、ある程度はだれでも成果が出せるのだとか。確かに今の会社に来てから劣等感を感じることがない。正確には、劣等感を感じるような扱い方をされることがなくなった。
カンボジアで暴漢にあった
3日前暴漢にあった。
客引きを中断し川沿いのベンチで休んでいたら、クメール人2人組が僕と同じベンチに座って話しかけてきた「日本人ですか?」。客引きで疲れていたので適当に応答するも質問が途切れない。「カンボジアに来てどれくらい?」「何の仕事をしてますか?」「クメールの女性は好きですか?」等。ときおり、同じ質問を繰り返してくるので「さっき言ったよ!」と少し苛立った。しばらくして質問が止んだ「ようやく落ち着いた・」そう思った矢先、いきなり背後から首を絞められた。その直後、それまでフレンドリーに話しかけていた2人が一気に僕のところまで駆け寄り、1人は僕の顔を殴り、もう1人は胸ポケットからiPhone5Sを奪う。目的を達成した3人はすぐに人気の多い通りに逃げだ。この間5秒位。襲われている間「これはやばい、このまま殴られ続けたら死ぬ・・拉致されるときってこういう感じなんだろうな…」とか考えてた。8ヶ月間の海外生活で初めて怖い目にあった。
この日を境に自分の中で少し変わったことがある。他人との間合いを無意識にはかるようになった。考えるよりも先に身体が動いているような感覚。たとえば、自分が座ってるときに相手が近づいてきたら「あ、今この人に襲われたらヤバイ」と感じて自分もすぐ立ち上がる。または自宅に雑誌を届けに来た人と自分の「距離が近いな」と感じたら距離を置いたり、お店の女の子にちょっかいを出す男に注意してるときは「今殴られたら防げないな・」と感じて両腕を引き上げるとかそういったこと。頭で考えなくても自然と身体が動くようになった。人間に元々備わっている「危険察知スイッチ」みたいなものが暴漢に襲われたことで作動したのかもしれない。元々はかなり鈍かったはずのその感覚が少しは鋭敏になった気がする。暴漢にあったのは怖いことだけど、その代償として「危機意識」という海外生活者にとっておそらく一番大切なものの芽を自分に植えつけることができた。
そういえば、暴漢にあった当初「あんなところに1人で行くバカがあるか!何も考えてねぇ証拠だ!」と社長にこっぴどく叱られたが、昨日は「自分に買ったんじゃねぇ!俺のだからな!」と言って新しいiPhoneを渡してくれた。