Prettywoman

プノンペンのガルバ店長やっています(した)

「お客さんとの距離感について」

水商売の特徴として、(良くも悪くも)お客さんと深い関係になりやすいということがあると思う。普通の人間関係であれば、昼間に名刺交換等をしておいてお酒を飲みながら徐々に距離を縮めていく訳だが、僕らの場合は出会いの場が下の席なのでいきなり至近距離から関係が始まる。これは相手との距離を詰めるという意味では大変良いことだが、最初の距離が近すぎるがために失敗することも多い。
 
 
たとえば韓国人の常連さん(Sさん)。こっちの大学に通っている学生さんで在住2年目。日本語を話せる方、かつ僕の方が年下だったので弟のように可愛がってくれた(韓国では年齢による上下関係が厳しい)。週2,3ペースでお店に来て、その人の仲間もお店に連れてきてくれた。僕の誕生日にはプレゼントも用意してくれた。お店に来たときは毎回僕にお酒をご馳走してくれる仲だが、この人とは今ほぼ絶縁状態にある。
 
 
あるとき、Sさんがお店の閉店時間ギリギリ(1:50)に来た。ぼくは1:48の時点で帰りのTAXIを呼んでいたので「やべ(タイミング悪い。。)」と正直思った。ただその人も1杯だけ飲んで帰ると言っていたのでtaxiには少し待ってもらおうと考えていた。それでその人と普通に会話を楽しんでいたのだが、そんな中あるスタッフが「ティーチャー、taxi待ってるよ!」とぼくに言ってしまった。「バカ野郎…」。。。その瞬間、その人は飲み途中だった自分のグラスを流し台に捨てた。僕の飲み途中だったグラスも分も捨てて会計を済ませて帰った。終始無言だった。
 
 
「悪いことをしたなあ」と思い、家に帰ってからFBでお詫びのメッセージを送ろうとしたらすでに友達関係を解除されていてメッセージを送れなかった。(ブロックはされていなかったので)その人のウォールを見たら、韓国語なので詳しい内容はわからないが「今日悲しい出来事があった」と綴られていて、恥ずかしながらそのとき初めて「僕はこの人を傷付けたんだな」と自覚した。謝ればなんだかんだ許してくれる(だろう)と考えていた自分は、この人との関係を軽く見ていたんだろう。
 
 
有難いことに、こっちに来てから、相手の方が、(自分が思っている以上に)自分のことを大切にしてくれていることが多々ある。※そして大抵はそのことに後から気付く。
 
 
Sさんに限らずだが、誰に対しても(謝ればなんとかなる)という気持ちを今でもどこかで持っている。そしてそれは間違いだということを約1年半の海外生活で少しづつ体感してきた。国外に住んでいる人たちは人数が少ないか人間関係が強固で、中でもカンボジアに住んでる日本人は1癖も2癖もある人が多い。気に入れば可愛がってもらえるがその逆も然り。それまでどれだけチヤホヤされていても、筋の通らないことをすれば一瞬で関係を覆される。「あ…世の中こうなってるんだなあ・・・」と日々。