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ゆきし日の面影 ~カンボジア人に日本の江戸時代の面影を見る~

江戸時代の日本を訪れた外国人の紀行文を再編集した「逝きし世の面影(著者:渡辺京二)」。外国人の目から見た当時の日本人のことが紹介されているんだけど(概ね”絶賛”)、そのときの日本人の様子が今のカンボジア人によく似ている。曰く「時間を守らない」「全然働かない(1日4時間)」「野次馬根性の塊(すぐに仕事を抜け出す)」「子供が笑顔」時間の流れがゆったりとしていた。このことは母国が近代化していた欧米人にとっては居心地が良く感じられて「この貴重な文化を(近代化の波で)自分達は壊してしまうのか?」と日本の将来を憂う外国人もいたらしい。

 

以前相棒のテラに「日本人は年間に3万人自殺するんだよ」という話をしたら「カンボジアはたぶん100人もいないですよ」と教えてくれた。少し前は色恋のもつれで川に飛び込む人が結構いたものの(カンボジアのPVは昼ドラ系が多い)最近は落ち着いてきたらしい。月給150~200$の人が大半を占めるなかでコーラ1杯=0.5$という物価水準では生活しにくいだろうけど、身内で助け合ってなんとかやりくりしている。社会保障がしっかりしていないせいか、身内や近所で助け合う気持ちは強い。

 

ある日系のマイクロファイナンス会社によればカンボジア人の不良債権率は「0.15%」。日本人だと「借金がある=駄目なやつ」みたいな感覚があって借金があっても家族に言わない人が多いが、こっちの人たちはお金の貸し借りに抵抗がない。友人同士でもお金の貸し借りを頻繁に行うし、(事故とかで)身内で急にお金が必要になったときは三親等あたりまで声をかける。お店の女の子からも「(家で問題があったから)借金したい」とよく言われる。あまりにも無遠慮に言うから、最初は抵抗あったけど、彼女達の事情を知った今は「まぁ…ある程度仕方ないかな」という感じ。それでも、貸すのが当たり前”という態度の子にはいまだに腹が立つ。うちは金貸しじゃねえぞと。

 

これから社会保障が脆くなっていく日本は、カンボジアに見習うところがあると思う。原点回帰というか。モラル意識が高いのは良いけれど、「人(身内を含む)に迷惑をかける=悪」という考えを少しだけ緩めて、誰かが困ったときは身内近所で自然に助け合えるようにしていけたらいい。いまは自己責任論の風潮が強すぎると思うので。カンボジアの物乞いなんてタバコを加えたまま、食べ物をねだるんだから(しかもそれでgetできちゃう)。

 

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