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プノンペン奮闘日記

2015年1月からプノンペン。現地で「Prettywoman」というガールズバーをやっています。

”世の中はすべて掛け算でできている”という話

今の社長との関係が始まってから約1年半、この人が発する言葉や姿勢からは色んなことを学ばせて頂いた。そのなかには、お酒の席での振舞い方(どう飲んだらお客さんに可愛がってもらえるか?)といった営業ノウハウも含まれるが、そういう方法論はむしろ少なくて(考える機会を奪ってしまうので)、どちらかといえば経営哲学とかマインドといった抽象的なことが多い。なかでも入社当初から一貫してずっと言われているのが「人の気持ちを大切にしなさい」。”一宿一飯の恩義を忘れるな”、”義理人情(浪花節)を欠くな”、任侠の世界の考えに近いと思う。

「努力×能力×運=仕事の成果(数字)」は社長の持論だけど、この考えで重要なのが、物事は足し算ではなく”掛け算”で決まるということ。これは人間関係においても同じで、誰かにプレゼントをあげたとき”相手にどれだけ喜んでもらえるか?”を決めるのは「行動(何をあげるか?)」×「送り手の気持ち」。ガールズバーでも女の子の心が動くのは、お金をたくさん使う人より「気持ちの良い人」。後者でも結局お金は使うのだが、(気持ちの)掛け算が大きい分、1の行動でも大きな喜びを相手に与えられる。夜の女の子を口説くためにiPhone6を買い与える必要は必ずしもないということ。

部下とか後輩の面倒を見るときはお金がかかる。酒とか洋服とか飯とか与えて「この人についていきたい!」と相手に思わせる訳だが、このときも掛け算がものをいう。たとえ1ドルでも掛け算(気持ち)が大きければ相手の心をつかめる。逆に気持ちがない(と相手に判断された)人はどれだけお金を使っても効果は薄い。たとえば人の雇用に関して「カンボジア人はすぐに仕事を辞める」「給料が高い仕事があるとすぐに転職する」という意見を日本人からよく聞く。もちろんそういう人もいるのだが、ぼくの知る限りカンボジアの人が仕事を続ける基準は「人」。見栄っぱりな人達なので最初に仕事を選ぶ基準は職種や仕事内容だが、続けるかどうかは上司やボスの人柄。そこが合わなければ条件が良くてもすぐに辞める。逆にボスが気持ちのいい人でスタッフと気持ちが通じればたとえ給料が安くても一生懸命働く。全員が全員そうではないけれど、カンボジア人にそういう印象を僕は持っている。

「人の気持ちを大切にしろ」「人を大切に扱え」この言葉を1年で100回以上言われてきたし未だに言われ続けている。まだ体得できたわけではないけれど(だから注意される)、”なぜそれが重要なのか?”は理屈(頭)ではすこしわかってきた。入社当初、『横チンは、それ(人の気持ちを大切にする)さえ身に付ければ、成功するよ』と何回か言われた。もっともっと人の気持ちに対する感度をあげていかなければならない。

というわけで社長、もう少し時間かかりそうです。