Prettywoman

プノンペンのガルバ店長やっています(した)

教養って大事だなと思った話

昨日、ポルポト政権時代を生き抜いたおばあちゃんに会った。

店舗用物件の契約でオーナーさんの家を訪問したらデカい家の中から現れたおばあちゃん、この人が大家で名前はソパニーさん。御年70歳。作家であり詩人。英語を話し(この世代で英語を話せる人に初めて出会った)、作曲や楽器もできる。失礼な話だが、カンボジアに来て初めて「教養人」と呼べる人に出会えた気がする。

字が書けるだけで”危険人物”とみなされていたポルポト時代にソパニーさんは当時の状況を日記に残していた。これはポルポト政権下の歴史を検証する上で本当に貴重な資料らしく、NHKスペシャルや本でもソパニーさんのインタビューや日記が紹介されている。作家としても著名な方で、この人が書いた本がその年の一番高い評価を受けたり、学校の教科書で彼女の物語が紹介されている(お店の女の子も知ってた)、国際的にも有名な方だそうで、部屋にはソパニーさんが表彰されている写真や賞状が数多くあった。

部屋に飾ってある賞状の数から、この人が世間から高い評価を受けていることはわかる。けれどもぼくが一番印象的だったのは、ソパニーさんから契約書の内容について指摘を受けてwordファイルを修正しようとしたら「わたしがやるわ」と言って自分で修正してしまったこと。なんか見ていて気分が良かった。

帰り際、「(ソパニーさんがインタビューを受けた)NHKのムービーが自宅にあるからいつでも見にきてね」と言ってくれた。近いうちにまた顔を出すと思う。

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