Prettywoman

プノンペンのガルバ店長やっています(した)

カンボジアで暴漢にあった

3日前暴漢にあった。

客引きを中断し川沿いのベンチで休んでいたら、クメール人2人組が僕と同じベンチに座って話しかけてきた「日本人ですか?」。客引きで疲れていたので適当に応答するも質問が途切れない。「カンボジアに来てどれくらい?」「何の仕事をしてますか?」「クメールの女性は好きですか?」等。ときおり、同じ質問を繰り返してくるので「さっき言ったよ!」と少し苛立った。しばらくして質問が止んだ「ようやく落ち着いた・」そう思った矢先、いきなり背後から首を絞められた。その直後、それまでフレンドリーに話しかけていた2人が一気に僕のところまで駆け寄り、1人は僕の顔を殴り、もう1人は胸ポケットからiPhone5Sを奪う。目的を達成した3人はすぐに人気の多い通りに逃げだ。この間5秒位。襲われている間「これはやばい、このまま殴られ続けたら死ぬ・・拉致されるときってこういう感じなんだろうな…」とか考えてた。8ヶ月間の海外生活で初めて怖い目にあった。

この日を境に自分の中で少し変わったことがある。他人との間合いを無意識にはかるようになった。考えるよりも先に身体が動いているような感覚。たとえば、自分が座ってるときに相手が近づいてきたら「あ、今この人に襲われたらヤバイ」と感じて自分もすぐ立ち上がる。または自宅に雑誌を届けに来た人と自分の「距離が近いな」と感じたら距離を置いたり、お店の女の子にちょっかいを出す男に注意してるときは「今殴られたら防げないな・」と感じて両腕を引き上げるとかそういったこと。頭で考えなくても自然と身体が動くようになった。人間に元々備わっている「危険察知スイッチ」みたいなものが暴漢に襲われたことで作動したのかもしれない。元々はかなり鈍かったはずのその感覚が少しは鋭敏になった気がする。暴漢にあったのは怖いことだけど、その代償として「危機意識」という海外生活者にとっておそらく一番大切なものの芽を自分に植えつけることができた。

そういえば、暴漢にあった当初「あんなところに1人で行くバカがあるか!何も考えてねぇ証拠だ!」と社長にこっぴどく叱られたが、昨日は「自分に買ったんじゃねぇ!俺のだからな!」と言って新しいiPhoneを渡してくれた。